貸株サービスについて

すでに多くの方々が言及しているテーマなのですが、貸株サービスについて私なりにまとめておこうと思います。



【メリット】

・貸株収入が得られる
・貸株中でも売買できる

【デメリット】

・貸株先証券会社の信用リスクを背負う
・貸株状態では通常のような配当および優待を受けることができない
・配当は貸株配当金相当額として受け取れるが、雑所得扱い
・貸株と信用取引は同時に実行できない場合がある


 
【デメリットへの所感】

・証券会社の信用リスクについては、個別株の取引を行っているときと同じで、ほったらかしにしておかないことが大切。証券会社の決算をチェックすることにより対応する。また、お金の世界は信用が全てなので一度でもトラブルを生じれば貸株サービスを利用する人はいなくなると思われる。これにより証券会社側で貸株サービスを維持するインセンティブが強く働くであろうと考える(事故を起こしそうなことはしないはず)。

・配当および優待について、優待は自動受け取りのサービスがある。すなわち権利日に自動的に貸株を解除するように設定することができる(各証券会社にて確認願う)。ETFの分配金等については、ハンドでいちいち貸株を解除しなければならない。非常に煩雑。

・貸株配当金相当額は、通常の配当金額に対して所得税・住民税相当分を控除された状態で、雑所得として受け取ることになる。サラリーマン(給与所得者)の場合、雑所得は20万円以下では確定申告不要(免税ではない。所得税の申告は不要だが、住民税の申告&納付は必要)なので、貸株配当金相当額が年間20万円以下かつ確定申告を行わないならば住民税だけ地方自治体に申告&納付するだけで済む。損失繰り延べなどの理由により確定申告を行う場合は20万円以下であっても雑所得の申告&納税が必要。この場合は雑所得は総合課税され、源泉分離課税相当分を控除された上に総合課税されるという二重課税になる。

・さらに、貸株配当金相当額として受領してしまうと繰り越している損失との損益通算ができず、所得税・住民税相当分についての税還付が受けられない。

・貸株と信用取引は同時にできないというくだりについては、私自身が信用取引を行わないため、よく知らない。各証券会社のホームページにて確認願う。



以上のデメリットを踏まえた上で、私は決算日前にハンドで貸株を解除するという形で貸株サービスを利用しておりました。自分のスケジュール表に「貸株解除」と毎月書きこんで、忘れないように貸株を解除していたのです。

・・・。

さっきから過去形で書いていますよね。そうなんです。3月に入ってから全ての貸株を解除してしまいました。その理由は;

・保有しているほとんどのETFの貸株金利が、1月から0.1%に下げられてしまったから。(以前は0.5%でした。0.1%と0.5%の差は5倍(5分の1)です。この差は強烈です。)

・毎月もしくは隔月決算のETFを保有しているため、事前に貸株解除日をカレンダーでチェックし、毎月もしくは隔月で貸株解除の手続きを行うことが必要。しかし貸株金利が下げられたことによりこの作業がとても面倒に感じるようになったから(労に見合わない)。

・以前の損失分を繰り越すために2月に確定申告をおこなった。貸株収入を雑所得として申告したら還付金が消滅したから。

以上です。もう少し補足しますと;

私は比較的マイナーなETFを愛用していますが、これらのETFの貸株金利は0.5%の時代が続いておりました。それらの貸株金利が0.1%に下げられたこと、それからこれは偶然かもしれませんが、ある銘柄で私が貸株していたら0.1%になり、貸株を解除した次の月は0.5%に戻ったということがあったんです。あまりよい気分ではありませんでした。貸すと下げられ解除すると上げられるというのは。

二重課税にならないように決算日のたびに貸株を解除するという手間を経て、いただいた貸株収入を申告したら還付金が消滅してしまいました。収益的にメリットがなく、とても空しい気持ちになってしまったのです。



貸株金利はその株式を借りて信用取引を行うニーズの高さに応じて、すなわち市場原理にもとづいて、設定されているものだと理解しています。したがって銘柄ごとに貸株金利が異なることは納得しています。

貸株サービスそのものに対する評価は人それぞれであると思われますが、私はしばらく貸株サービスから手を引くことにしました。確定申告する必要がなくなったり(損失繰り延べが終了したとき)、信用取引のニーズが高まって貸株金利が上昇したり、ETFの分配金についても自動で貸株解除してくれるように証券会社のシステムが改良されたりしたときには、また貸株サービスの利用を考えたいと思います。

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