軍事的投資仮説【8】(戦略と戦術)

※この記事は歴史的事実や金融商品のリスクなどを厳密に検証したものではありません。いわゆる「ネタ」ですので、軽い気持ちでご覧ください。(狼狽えてしまいますから本気で反論しないでくださいね、というエクスキューズ)
 
「アセットクラス兵科説」を発展させ、投資・資産運用のトピックスを軍事的に説明する試みとして「軍事的投資仮説」なる珍説を展開してみたいと思います。本シリーズの最終回となります八回目の今日は、戦略と戦術について考えていきましょう。

戦略と戦術という言葉はさまざまな文脈で使われていますので、これらの言葉を見たことがない人はあまりいないのではないでしょうか。しかしながら両者をきちんと区別しているのかどうか疑問に思う用法を見かけたりもします。

定義や説明の仕方はいろいろあると思うのですが、私にとって最も分かりやすかった説明は、たしか『ローマ人の物語』の中で著者の塩野七海氏が述べていたものです(出典に記憶違いがあるかもしれません)。それは;

戦略:「正しい」から「勝つ」方法
戦術:「勝つ」から「正しい」方法

というものです。

戦略の特徴は、長期的な展望をもってある方法の正しさや有効性を説明できるものであるということです。もちろん前提が間違っていたり結論がその通りになるとは限りません。現実には何が起こるか分かりませんから必ず勝利する訳ではありません。ですがある方法について事前に検証・論証が可能であることが大きなポイントです。

戦術の特徴は、やってみなければ分からない、ある方法が成功したという結果でしか正しさを証明できないということです。大胆に攻撃する作戦と、慎重に防御する作戦では、どちらが有効なのかは事前には分かりません。

時間的視点で戦略は長期的、戦術は短期的という見方もできると思いますが、時間的視点は結果的にそうなっているだけだと思います。というのは、ある方法の正しさを論証する以上、戦略が長期的なるのは必然ですし、やってみなければ分からないわけですから、戦術が短期的になるのもまた然りだからです。



さて、この戦略と戦術の関係を軍事的投資仮説によっていつものように無理矢理、資産運用に当てはめるとしたら・・・パッシブ運用とアクティブ運用の関係に似ているのではないでしょうか。

パッシブ運用の代表選手であるインデックスファンドは、市場の動きについて行くことが事前に分かっています。それが必ずしも資産運用の成功を約束するものではありませんが、世界経済が成長してゆくことを前提にすれば、正しく有効な資産運用手段であることを論証できると思います(このあたりは『敗者のゲーム』や『ウォール街のランダムウォーカー』などの名著や、橘玲氏の『臆病者のための株入門』(文春新書)が分かりやすいと思います)。

一方でアクティブ運用の代表選手であるアクティブファンドはファンドマネージャーの腕次第です。やってみなければ分かりませんし、過去のハイパフォーマンスが将来のリターンを約束する訳ではありません。市場を上回ることもあるでしょうし、市場に届かないこともあるでしょう。

インデックスファンドやETF長期保有によるパッシブ運用と、アクティブファンドや個別株保有およびETF短期売買などのアクティブ運用は、対立する概念ではありません。どっちが正解というわけではないし、またどちらかを選ばなければならないというわけでもありません。さらに優劣もありません。

また単純にインデックスファンドが戦略的で、アクティブファンドは戦術的、などというつもりもありません。インデックスファンドを短期売買したり売りの信用取引を行うならば、それは十分に戦術的ですし、アクティブファンドをドルコスト平均法で積み立てるならば、それは長期的な戦略的行動だと思われます。

重要なことは、短期的な勝敗に主眼を置く行動なのか、十年二十年の先を見据えた行動なのか、それらを区別しておくことだと思います。前者は悠長なことを言っていられません。勝つか負けるか、今この一瞬が勝負です。きっと楽しいですよ。ドキドキワクワクしますから。

後者は退屈との戦いになります。退屈に耐え、一本、筋を通すことができるかどうか、それが決め手になります。

繰り返しますがどちらが正解なのか、答えはありません。パッシブ運用の商品やアクティブ運用の商品、またそれらを短期的に活用するのか長期的に活用するのか、投資家自身の経済状況や目標などに応じて組み合わせたり使い分けたりして、自由にやればよいのだと思います。人生に正解がないように、投資にも正解はないのですから・・・。

願わくはみなさまの、そして私自身の、資産運用と人生が実り多きものでありますように。
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コメント

大団円

戦略VS戦術!!何かと話題にのぼるトピックですが、まさかの解釈&資産運用へのあてはめ、アッパレの一言です!!

ブログ名に[戦略]なんてつけていても、「戦術と戦略の違いって規模の違い?」ぐらいにしか捉えてませんでした。このエントリをよんで「そうだったのか!!」なんて(意識せずにブログ名つけてた過去の自分に)ビックリ&拍手を送りたくなりました。

ひとまずのシリーズ終了、とのことでちょっと寂しくはなるのですが(笑)また、こういう視点のネタがありましたら、是非是非聞かせて欲しいと思います☆

第二部、完…みたいな(笑)

そして・・・

>モ人SYO-GOさん

本件、もう一つだけエントリがあります。このコメント欄ではなく別のエントリを立てていろいろ話ししますので、ポストスクリプトをご覧ください。

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