貸株料の税金(確定申告しない場合)

一部の証券会社には貸株というサービスがあります。これは保有株式を貸し出すことによって貸株料を受け取ることができる、というものです。詳しくはこちら(←私が利用しているカブドットコムの貸株サービスの紹介ページへのリンク)へ。

この貸株料の税金についてまとめておきたいと思います。
(※一つの勤め先から給与を得て年末調整が行われるサラリーマンを想定しています。)



【ポイント】

・貸株料は雑所得である。
・確定申告する場合は申告が必要である。
・確定申告しない場合は住民税の申告が必要である。



確定申告を行う場合は所得税も住民税もまとめて申告するので特に迷うことはないのですが、確定申告を行わない場合は住民税の申告が必要です。

これまで私は過去の株式売買損失を確定申告を行うことによって繰り越してきたのですが、その損失枠を使い切ったので今回は確定申告を行いません。2014年は貸株料の収入が14,576円ありましたので、この分の住民税申告を行いました。

貸株料の必要経費がいくらなのかは見解が分かれるかもしれませんが、私はゼロとしています。

貸株料が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。



確定申告したり住民税の特別徴収(給与天引き)を選ぶと(ほんのわずかとはいえ)雑所得があることが会社にわかってしまうのであまりいい気分ではないのですが仕方がありません。というかそもそも会社が徴税業務を請け負っていることはおかしいと思うのですが、税務署もサラリーマン個人もこのほうが便利なのでしょう。



それから「確定申告は不要です」と言われたら、住民税の申告が必要であることに気がつかない人もいるのではないでしょうか。実際私は迷いましたし、確定申告なら郵送で済むのに住民税を申告するために休暇をとって市民センターに出向くことが必要でした。

20万円以下の雑所得は所得税・住民税とも非課税!(もしくは申告不要!)としてもらえれば簡単なんですけどねぇ。それに確定申告が不要であっても所得税は非課税ではないんですよね。申告すれば課税されるわけで。住民税は別に申告が必要なわけですし。国税と地方税の扱いが少し違うところがモヤモヤ感のもとになっています。



ぐちぐち書きましたがこういうブログを書いている以上は税務関係はきれいにしておくべきでしょう。いえ、ブログを書いていなくてもきれいにしなければならないのですが。



あ、あともう一つ貸株関連のトピックがありました。

それは貸株の状態で配当権利日を迎えてしまった場合のことです。この場合は「貸株配当金相当額」という名目で、所得税および住民税に相当する金額を控除した金額が入金されるのですが、なんとこれは雑所得になるのです。

したがって貸株料と同じ扱いになります。所得税および住民税相当額を差っ引かれているにもかかわらず、雑所得として課税されるのです。金額だけ見ると二重課税されたように見えます。(実際は貸株先で課税されているわけなので二重課税ではないのでしょうが、いまいち納得がいきません)

これを回避するためには配当権利日前に貸株を解除しなければなりません。

私は1677_上場外債という毎月分配型ETFを保有していて貸株に出しているのですが、貸株解除の処理を毎月ハンドで行わなければならず、これが非常に煩雑です。昨年12月はうっかり貸株を解除することを失念してしまい、貸株配当金相当額を受け取りました。これは来年の住民税の申告に含めなければなりません。トホホ。



ついでに住民税についてもうちょっと整理しておくと、住民税は都道府県民税と市町村税から構成されていて、それぞれ均等割と所得割があります。そして住んでいる自治体によって独自の課税があったりします。

私は神奈川県に住んでいるのですが、神奈川県では標準税率に加えて水源環境保全税という超過課税が平成28年度まで徴収されることになっていますので、均等割で+300円、所得割で0.025%が上乗せになっています。


均等割
所得割
都道府県民税
1,500円/年→1,800円/年
4%→4.025%
市町村民税
3,500円/年
6%
合計
5,300円/年
10.025%

貸株料を雑所得として住民税の申告を行うと、神奈川県民である私の場合は所得割10.025%の税率になります。必要経費があればそれを割り引く必要があります。まぁ、確定申告しなくても貸株料の一割は税金で取られると見ればよいと思います。

それから住民税の所得割は前年の1月から12月までの所得を基準に計算されるので、所得税とは計算期間が違います。これは働いている皆さんならご存知だと思います。したがって貸株料の所得割も6月以降の給与から天引きされることになります。



以上の内容に間違いがあったらご指摘ください。訂正します。


毎月分配投信と無分配投信とETFの比較(その2)

前回に引き続き、今回は海外リートのアセットクラスについて、ワールド・リート・オープン(毎月決算型)、eMAXIS先進国リートインデックス、1555_上場Aリートを並べてみたいと思います。

これも前回同様ですが、運用の中身がそれぞれ異なりますから単純に優劣を比較することはできませんが、傾向は分かると思います。

分配金は税引き前です。単純化するため月次での分配金再投資を考慮していません。投信3本は基準価額ですが、ETFは市場価格です。

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毎月分配投信と無分配投信とETFの比較(その1)

資産運用のブログを拝見していると、このテーマについて様々な議論が交わされています。

私自身は以前は投資していたのですが、【失敗談】ワールド・リート・オープン(毎月決算型)にてお話したとおり、主に信託報酬が重くのしかかることを理由として撤退してしまいました。その後は毎月分配型投信についての記事は書いておりませんでした。

しかしながらやはり毎月分配型投信は人気があるようですので、実際のところどうなのか調べてみることにしました。

今回は債券のアセットクラスを対象にして、グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)、海外債券オープン(毎月決算型)、eMAXIS先進国債券インデックス、1677_上場外債を並べてみます。

運用の中身がそれぞれ異なりますから単純に優劣を比較することはできませんが、傾向は分かると思います。(グローバル・ソブリンは国内債券を含んでいますが、他3本は国内債券を含んでません。)

分配金は税引き前です。単純化するため月次での分配金再投資を考慮していません。投信3本は基準価額ですが、ETFは市場価格です。

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【雑感雑文】NISAの気になること

カブコム様から、先日東証に上場されたiシェアーズのETF3本の取引手数料無料キャンペーンについて、手数料無料の期間が延長される旨のメールがありました。具体的には8月16日までとなっていたものが8月30日までと、8月一杯になったそうです。結構なことですね。

それはともかく、同じメール中にNISAの案内もあって、ふんふんと見ていたら気になる内容がありましたのでちょっと触れておきたいと思います。以下赤字がメール内の注記です。

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注) 同一の勘定設定期間において複数の金融機関等にNISA口座を開設することができません。また他の金融機関等にNISA口座内上場株式等を移管することはできません。

→現時点では、ということだったと思います。複数の金融機関に開設できるかどうかはまだ流動的だったかと。


注) NISA口座における配当および譲渡所得は課税所得として見なされず非課税となりますが、同様に損失も税務上ないものとみなされます。このため、NISA口座の損失を一般口座・特定口座の所得と損益通算できません。

→これが制度上の欠陥のように思える要件ですよね。課税と非課税のバランスはよいのですが(いいとこどりにならないので)、財形という目的では少々難点かと思います。


注) NISA口座の毎年の非課税投資枠は年間100万円です。NISA口座では一度売却するとその非課税投資枠の再利用はできません、また利用しなかった非課税投資枠は翌年の投資に繰り越せません。

→長期保有を前提とする(ただし5年)ことになってますので非課税枠を再利用できないことには異議がないのですが、ぴったり100万円にできるかどうかは難しいところだと思います。余る分にはよいのですが、超過した分がどういう扱いになるのか気になります。

あるいは余った部分は投資信託を買っちゃいましょうかねぇ。


注) 配当等はNISA口座を開設する金融機関等経由で交付されないものは非課税となりません。NISA口座で配当等の非課税メリットを享受するためには、NISA口座を開設する金融機関等経由で交付(株式数比例配分方式)する必要があります。

→え!? これが今回一番驚いた項目で、私の勉強不足かもしれませんが初耳でした。株式数比例配分方式を選択すると1557_SPDR S&P500のように米国で分配金に対して税金が源泉徴収されるタイプのETF(以前持っていましたが税率が30%でたまげました)は、NISA口座の内外を問わず外国税額控除ができないのではないでしょうか。

前述のiシェアーズの3本がこうならないことを願っています。分配金の受け取りは銘柄ごとに方式を選択できませんので、NISA口座の分配金非課税をとるか、外国税額控除をとるかの二者択一になるのは結構せつない。


注) 投資信託において支払われる分配金のうち元本払戻金(特別分配金)は非課税であり、NISA制度のメリットは享受できません。

→税金は利益に対して賦課するのだから非課税は当たり前ですよね。NISAのメリットがないのも当然。

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NISAの宣伝が喧しいですが、NISAについて考えれば考えるほど、資産運用の経験がない人やまだ浅い人を煽りたてて投資を促してよいものなのか首をひねりたくなります。無論、金融機関の方々には立場がありますし、ひとりひとりが自分の資産運用を考えた方がよいと私も思うのですが、興味や理解度、向き不向きがあることでもあります。そして金銭はとてもプライベートなものです。運用状況を晒している私が言えた義理でもないのですが。

どうなることでしょうね。いずれマネー誌にでもNISAの成功例や失敗例が特集されるのでしょうね。

【雑感雑文】自力本願その3

MRIインターナショナルの資金消失事件以来、いろいろなことが思い浮かんできます。連休前半には実家に帰って休んでいたのですが、疲れが(主に精神的な)とれてきたのかななどと感じています。

前回、前々回では、某和牛商法や本件のような投資話と、インデックスファンドやETFを対比させる形で雑文を書きましたが、もう一つ別の切り口がありました。

それはAIJとの対比です。みなさまご存じだと思いますが、AIJの資金消失事件では中小企業の厚生年金基金の資金が消失してしまいました。

「MRIは投資家自身の選択の結果だから同情する必要はないが、AIJは厚生年金基金の失策であり中小企業の社員には責任がない」、そういう言説も一面の事実であります。そして厚生年金基金だけではなく、年金制度そのものに歪みがあることも事実です。しかしながら二つの資金消失事件に共通する要素があります。それは個人の選択したことにせよ選択の余地がないことであるにせよ、最終的には自分に跳ね返ってくるのだから自分でチェックできることが望ましい、ということです。

※話しが跳びますが、国の政治も同じです。税金の使い方を有権者はチェックしなければなりませんし、その結果を受け止めなければなりません。選挙で投票しない人は政治に参加する権利を放棄することになります。

個人的な所感としては、日本のサラリーマンは年金などの資産運用のみならず、税務処理についても、会社に任せすぎだと思っています。年末調整の時期になると、部署でとりまとめている庶務の方が懸命に書類をチェックします。これは徴税業務を民間企業が代行しているわけで、サラリーマンの多くは自分が納めた税金・保険料がいくらなのか、意識していないかもしれません。

自分でやりましょうよ。っていうか、やらせてくださいよ。年金も、税務も。

できない、面倒くさい、ではなくて、それを可能にすることが教育の目的で、複雑で難しいならば簡素化するインセンティブが働くではありませんか。

年金について、昔は個人で分散投資を行うことが難しかったので基金で運用することに合理性がありました。今では金融商品の発達により、私のような一個人ですら世界に分散投資を行うことができるようになりました。

資金消失事件が起こると、やれ監視体制を強化すべきであるとか投資教育が重要だと言われますが、法ではチェックしきれないと思われすし、現状で必要性のないことを勉強するほどみなさんはヒマではないはずです。

サラリーマンの税務申告も会社任せではなく個人が行うようにする。これこそが投資教育の第一歩なのではないかと思う次第であります。

【雑感雑文】自力本願その2

同じ名前の一つ前の文章を見直していたら、「資産運用は自力本願で」などと言いながらインデックスファンドやETFへの投資に言及しているあたり、なんとなく矛盾を感じてしまいました。運用を運用会社に任せているわけですから。無論、某和牛商法や某診療報酬債券投資とインデックスファンド・ETFが同じものではないということは感覚的にわかりますが・・・。

具体的に何が同じで何が異なるのでしょうか。

私が調べたところによりますと(「有価証券」をググっただけ)、これらは全て「有価証券」と呼べるようです。それが共通点。

※前者を「有価証券」、英訳して「securities」(セキュリティーズ)と呼ぶのは、今となっては抵抗がありますね。安全保障(資産保全)にならなかったのですから。

後者を設定・運用しているのは上場会社であるということくらいで、非上場の運用会社もありますから、運用主体については思っているほど大きな違いはありませんでした。しかしながら商品については透明性と流動性が決定的に異なっています。

後者については日々情報が開示されています。また、インデックスファンドは証券会社との間での売買、ETFは市場での売買、ということで一定の流動性が担保されています。直販投信も日々情報開示して売買申込を受け付けているのが普通です(クローズ期間がある投資信託もありますが)。

資産運用は人任せにしないで自力本願でいきましょう、ということ意味は、株式にせよ債券にせよ、運用を任せて任せきりにしないことです。まずは運用状況が公開されているかどうかをチェックしなければなりません。そして毎日とは言いませんが、ときどき運用状況を確認することが必要です。

とはいえ、中身が分からないものに投資することは別に悪いことではありません。個人の自由です。美味しそうな話しもあるかもしれませんし、実際のところ、初期においては某和牛商法や某診療報酬債券投資で儲かった方々もいるはずです。

私は悲観的で、美味しい話しは自分のところまで回ってこないであろうと諦めておりますので、運用状況が公開されているタイプの金融商品を利用して、運用状況をチェックしながら資産運用を行っています。それでもリスクはあります。フリーランチはないのですから。

・・・。

ただ、ETF/ETNについて「上場されている」という事実はとても重いと考えています。非上場会社と上場会社の信用度を考えればすぐに分かります。無論、上場会社だから潰れないということではありませんが。

【雑感雑文】自力本願

連休始まりに驚きのニュースがありました。

MRIインターナショナルという資産運用会社が日本人顧客から集めた資産が消失したとされる事件です。

この会社の名前は知らなかったのですが、彼らの看板商品である「MARS投資」についてはバナー広告などで目にしたことがありましたので、とても驚きました。そのときの私は特に興味も持たず、スルーしましたが・・・。

現時点ではまだなんとも言えませんが、出資金が戻ってくるかどうかは厳しいと思われます。某和牛商法のときには、「隠し財産が見つかった、分配するためにお金を振り込んで欲しい」という二次被害があったと聞きます。

MRIに出資していた方々におかれましては、冷静に行動なされることを願ってやみません。所詮、お金の話しですから、失うときもあれば手に入るときもあります。くれぐれもお気を落としなく・・・。

・・・。

っていうか、ぶっちゃけた話し、そもそもこんなマイナーなブログにたどり着くような人がMRIに出資していたとは到底思えませんし、この駄文をご覧になっているとも思えません。このブログを訪れるほど資産運用について調べている方々であるならば、一定以上の金融リテラシーがあるはずで、だとすればこの投資話には「???」という印象を持ったと思われるからです。

とはいえ投資には多かれ少なかれリスクがつきものですから、明日は我が身かもしれません。

お金のはなしはとてもプライベートなことです。善意で他人様のお金を増やしてくれる人はいません。限界はありますが、基本的には「自力本願」でいきましょう。インデックスファンドやETFのように分散を効かせてリスクを抑えた金融商品は、びっくりするような利回りは望めませんが、きっと力になってくれることでしょう。

【雑感雑文】マイホームと領土問題

どうしてみんな家を欲しがるのだろう。

どうして家を「所有」することを前提にしているのだろう。

・・・。

私。

やっと分かったんです。というか知らなかったんです。

先日出版された橘玲氏の『日本人というリスク』(講談社プラスアルファ文庫)を読んでいたら、答えがそのまま書いてありました。

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【雑感雑文】日本版ISAについて

いろいろ考えたんです。

日本版ISAをどう活用するべきなのか、を。

※制度自体についての説明は省きます。まだ詳細が詰まっていないようですね。私も証券会社に資料請求の申し込みをしました。

そして今のところの結論。

「特に意識しない」です。

譲渡益や配当・分配金が非課税になると言われるととても魅力的で、利用しなければ損だと思うところがミソですよね。ですが・・・。

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【雑感雑文】ケチであること

財物を大切にする態度にはレベルがあると思うんです。ランク別に解釈してみましょう。

【節約】

・不必要な出費を行わないこと。一般的に望ましいとされるランク。


【吝嗇】

・ケチであること。不必要な出費はもちろん、必要な出費も惜しむこと。軽蔑される可能性があるランク。


【貪欲】

・とってはいけないもの、特に他人のものまで欲しがってしまうこと。憎悪される可能性があるランク。



逆の方向もあると思います。

【消費】、【浪費】、【博打】・・・という具合に。

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